CONTENTS

ページビューの合計

2011年9月22日木曜日

9.19 結節点、そして始まり

★「さようなら原発1000万人アクション」明治公園
大変な集会・デモでした。
ひょっとしたら、旅団長がこれまで経験した集会の中でいちばん大きな集会だったかもしれません。




明治公園でのこの集会と、3方向へ向かったデモの言いだしっぺは、鎌田慧さんだったと思います。
彼は「きょうの集会は、これまでの集会の一つの結節点。そして、これから始まる集会の出発点」と、挨拶されたようです。
(なにしろ6万人も集まれば、端っこに陣取ったわがウシトラ旅団には、どんな集会になっているのやら、ほとんどわからなかった)。






集会へ向かう経過や、実行委員会の構造など、私には、不満たらたらであります。
率直にいえば、わが肌合いに合わぬし、その旧の原水禁運動よりももっと重要で緊急の課題が目の前に突き出されている、と思ってきました。
その旧の発想やイニシアチブに取りこぼされた最重要の人々がいる、とも考えてきたのです。
にもかかわらず、これまで長い間、分裂が固定化されてきた日本の原水禁運動、反核運動の勢力が、曲がりなりにもここに総力で集まったことは、まことに喜ばしいことでありました。
まさしくそこに、福島からの人々が、困難な中からやってきたことに「結節点で、始まり」を見るのです。






ウシトラ旅団にとって最重要は、ハイロアクション福島の武藤類子さんの以下の訴えです。
あの盛り上がりの喧騒の中で、この訴えにひっそりと涙を流し、食い入るように発言者を見つめていた福島の人々と、そこに心を寄せる人々の魂に、ウシトラ旅団は希望を見ます。
武藤さんの言う「東北の鬼」に応えるために「七たび旅して、丑寅の義兵とならん」の、ウシトラ旅団はあるのであります。






☆ハイロアクション福島の武藤類子さんのアピール


みなさん、こんにちは。
福島から参りました。
今日は福島県内から、それから避難先から
何台もバスを連ねてたくさんの仲間と一緒にやって参りました。
初めて集会やデモに参加する人もたくさんいます。
それでも
「福島原発で起きた悲しみを伝えよう」
「わたしたちこそが原発いらないの声をあげよう」と
声を掛け合い、誘い合ってやって来ました。


はじめに申し上げたいことがあります。
3.11からの大変な毎日を
命を守るためにあらゆることに取り組んできた
みなさん、ひとりひとりに
ひとりひとりを深く尊敬いたします。


それから
福島県民にあたたかい手を差し伸べ、つながり
様々な支援をしてくださった方々にお礼を申し上げます。
ありがとうございます。


そして、この事故によって
大きな荷物を背負わせることになってしまった
こどもたち、若い人々に
このような現実を作ってしまった世代として
心から謝りたいと思います。
本当にごめんなさい。


さて、みなさん。
福島はとても美しいところです。
東に紺碧の太平洋を臨む浜通り。
桃、梨、りんごと、果物の宝庫の中通り。
猪苗代湖と磐梯山のまわりに黄金色の稲穂がたれる会津平野。
そのむこうを深い山々が縁取っています。
山は碧く、水は清らかな、わたしたちのふるさとです。


3.11 原発事故を境に
その風景に目には見えない放射能が降り注ぎ
わたしたちは被曝者となりました。


大混乱の中で、わたしたちには様々なことが起こりました。
素早く張り巡らされた安全キャンペーンと不安の狭間で
引き裂かれていく人と人とのつながり。


地域で、職場で、学校で、家庭の中で
どれだけの人が悩み、悲しんだことでしょう。


毎日、毎日、否応無く迫られる決断。
逃げる、逃げない。
食べる、食べない。
こどもにマスクをさせる、させない。
洗濯物を外に干す、干さない。
畑を耕す、耕さない。
何かにもの申す、黙る。
様々な苦渋の選択がありました。


そして今
半年という月日の中で次第に鮮明になってきたことは
事実は隠されるのだ。
国は国民を守らないのだ。
事故は未だに終わらないのだ。
福島県民は核の実験材料にされるのだ。
莫大な放射能のゴミは残るのだ。
大きな犠牲の上になお原発を推進しようとする勢力があるのだ。
わたしたちは捨てられたのだ。


わたしたちは、疲れとやりきれない悲しみに深いため息をつきます。
でも、口をついてくることばは
「わたしたちを馬鹿にするな」
「わたしたちの命を奪うな」です。


福島県民は今、怒りと悲しみの中から静かに立ち上がっています。
子どもたちを守ろうと母親が父親が、おじいちゃんがおばあちゃんが。
自分たちの未来を奪われまいと若い世代が。
大量の被曝に曝されながら事故処理に携わる原発従事者を助けようと
労働者たちが。
土地を汚された絶望の中から農民が。
放射能による新たな差別と分断を生むまいと、障害を持った人々が。


ひとりひとりの市民が、国と東電の責任を問い続けています。
そして「原発はもういらない」と声をあげています。
わたしたちは静かに怒りを燃やす、東北の鬼です。


わたしたち福島県民は
故郷を離れる者も、福島の土地にとどまり生きる者も
苦悩と責任と希望を分かち合い、支え合って生きて行こうと思っています。


わたしたちとつながってください。
わたしたちが起こしているアクションに注目をしてください。


政府交渉、疎開、裁判、避難、保養、除染、測定、
原発・放射能についての学び。
そしてどこにでも出かけ、福島を語ります。
今日は遠くニューヨークでスピーチをしている仲間もいます。
思いつく限りのあらゆることに取り組んでいます。


わたしたちを助けてください。
どうか、福島を忘れないでください。


もうひとつ、お話ししたいことがあります。
それは、わたしたち自身の生き方、暮らし方です。


わたしたちは
何気なく差し込むコンセントの向こう側を想像しなければなりません。
便利さや発展が、差別や犠牲の上に成り立っていることに
思いを馳せなければなりません。
原発はその向こうにあるのです。


人類は地球に生きる、ただ一種類の生き物に過ぎません。
自らの種族の未来を奪う生き物が、他にいるでしょうか。


わたしはこの地球という美しい星と調和した
まっとうな生き物として生きたいです。
ささやかでも、エネルギーを大事に使い
工夫に満ちた、豊かで創造的な暮らしを紡いでいきたいです。


どうしたら、原発と対極にある新しい世界を作っていけるのか
誰にも明確な答えは分かりません。


できうることは
誰かが決めたことに従うのではなく
ひとりひとりが、本当に本当に本気で自分の頭で考え
確かに目を見開き
自分ができることを決断し、行動することだと思うのです。


ひとりひとりにその力があることを思い出しましょう。
わたしたちは誰でも変わる勇気を持っています。
奪われてきた自信を取り戻しましょう。


原発をなお進めようとする力が垂直にそびえる壁ならば
限りなく横に広がりつながり続けていくことがわたしたちの力です。


たったいま隣にいる人とそっと手をつないでみてください。
見つめ合い、お互いの辛さを聞き合いましょう。
涙と怒りを許し合いましょう。
いまつないでいるその手のぬくもりを
日本中に、世界中に広げていきましょう。


わたしたちひとりひとりの背負っていかなければならない荷物が
途方もなく重く、道のりがどんなに過酷であっても
目をそらさずに支え合い
軽やかに、朗らかに生き延びていきましょう。








★悩み深けれど、福島の人々とともに
ウシトラ旅団はすっかり6万人の中に埋没しそうです。
でもね、やれることをやるのです。
脱原発の掛け声も大事だけど、具体的な行動をここに集約し、そして、またここから具体的な行動に出発します。
ひとつひとつの行動は、本当にハイロアクションの武藤さんの言うように、「これが正解」とは言い切れない難しさがあります。
それでも、うろうろおろおろしながらでも、ウシトラは進みます。
この日の集会には、東京都心で「夏休み保養」に関わったメンバーや、埼玉で「放射能防御」の活動で奮闘した仲間が参加しておりました。
あるいは、東北地方へ炊き出しに向かったアジアのお仲間がおりました。






今日からの始まりは、ウシトラ旅団の悩みも伴う活動の深まりでもあります。
いくつかのプランを再構築して、また、ウシトラ旅団は、丑寅方面へチャレンジする準備を始めています。








活動家ではなかった人々が、これほど心深く、粘り強く、想像力豊かであることに、旅団長はまたあらためて感動しているところです。
「やれることをやる。好きなことをやる。できることを一緒にやる!」
秋からも、また前へ進みます。


(おっと、世にはつまらん気を回すアホもいるようなので、注! ここに写っているデモ参加者は、ウシトラ旅団とは組織的には無関係な人もいるからね。要は、いっしょに脱原発や福島の子供たちを守ろうとする、広い意味でのお仲間のデモの様子を、勝手に撮影しただけ。……どうやら、山本クンについては、鉄兵隊員がファンらしいという不純な動機らしいが…。いや、山本太郎くん、よくやっている。リスペクトだぜぇ)














★三単産、東電抗議行動
明治公園の集会の前に、ウシトラ旅団は、東電への抗議行動に参加してきました。
ウシトラMLで、小名浜地区労(全国一般いわき自由労組のKさん)より、事前に「武闘派はこちらへどうぞ」と、呼びかけがあったからでした。


好き者は多いとはいえ、ウシトラは決して武闘派ならず、いまや踊れぬ舞踏派ばかりであります。
それでも、いわき自由労組とは、震災直後からなじみが深く、また世話もかけ、ここからのお誘いには、すぐに行っちゃうもんね。


抗議行動は、全港湾、全国一般全国協、全日建連帯の3単産のいずれおとらぬ猛者たち。
まぁ、なさけな労働運動花盛りだった日本の労働運動の中では、やる気をなくさぬ「武闘派」ぞろいでありましょう。
これに、全港湾東北地方小名浜支部の代表者を加えて、申し入れ団を結成して、東電へ「要請行動」をやったのでありました。
新橋のSL前で、出撃準備を整えて鬨の声を上げ、東電へ向かったのでありました。






要請は3点。
一、福島第一原発事故を早急に収束させ、廃炉とすること。
二、自主避難などを含めた福島原発に起因する全ての被害について、将来の影響まで全額補償すること。
三、現在休止している原発の再稼働を行わないことと、今後、新規の原子力発電の建設を一切行わないこと。










あ・あ・あ、あったりまえの要求だんべ。
ウシトラ旅団も一緒にシュピレヒコール。あな、このスタイルなつかしや。
東電は、ガードマンとおまわりさんに守られて、門も開けようとしない。






社員なのか、門の内側まで出てきて、えへらえへらと薄ら笑いしている奴がいる。
こんな対応をそのままにして印象をわるくしているんだから、やっぱり東電はアホな会社だわ。





踊れぬ武闘派は口ゲバ隊。
「こらぁ。無礼者。抗議団を中に入れんか!」
「申し入れ代表は、帰ってこなくていいよ。中に入って座り込んでろよ」

SL前で「あのぅ…組合員じゃないんだけど、いっしょにこの黄色いリボンつけてもいいんですか?」と、しおらしく答えた、さっきの旅団員の態度はどこへ行ったぁ。










ともかく350人の元気な部隊で東電前の抗議行動。
よけいな、ぶら下がりのようなウシトラ旅団ではありましたが、労働者の力強いアピール行動をいっしょにやりました。
東電は、はっきりいえば政府や原発マフィアの「共同体」による被害補償制度の中に逃げこみを図るのがかれらの「展望」です。
ここは徹底的に追求していかなければなりません。


加害者は加害者として、裁かれなければなりません。
裁くものは、福島の人々をはじめにした事故被害者であり、その被害者の側の立場に立つ労働者でなければなりません。
現に被爆労働を強制されている人々を守っていくのも、この東電前に来た労働者たちこそが中心になるでしょう。
役立たずどころか、東電と利害を一致させ同じ歩調をとる電力総連の指導部なんか、東電と一緒にさよならしてもらわなければならんということです。
                           旅団長














0 件のコメント: