たかだか数十人のウシトラ旅団の作戦部だけにとどめて置くには惜しい分析です。
本人は、個人的な備忘録とケンソンしておりますが、いつもながら冷静なアプローチと分析に脱帽であります。
塩爺は、けっして自分の見解を絶対的なものと考えているわけではありません。
むしろ、誤りの部分や不十分なところがあれば、どうか指摘して欲しいと言っています。
多くの人とともに考え、討論していければと、旅団長も願っております。
真実に少しでも迫っていくには、このスタンスしかありません。
読者の皆様にご協力を願い奉る。
★旅団長
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●「いまだにフレッシュ放射性物質が飛んで来る」というのが現実です
原子炉から環境中に漏れてくる放射性物質が、1時間当たり最大で2億ベクレルあるわけですから。
メルトダウン、メルトスル―した崩壊熱状態にある核燃料、および炉心の残留核燃料から、フレッシュな放射性物質が今も強力に飛散していると考えています。
フレッシュには次の2点の可能性があると考えます。
1、「新たに生成された核分裂生成物 (放射性物質)」ではなく親核種が減って、孫核種が増えてフレッシュな放射性物質が放出されているケース。
核分裂生成物の量のピークは3.11の原子炉停止時です。
半減期が秒単位から数日単位のものは、すでに炉内からも環境からも消えて今残る半減期が比較的長いものが、崩壊熱状態の核燃料から今でも放出され続けている(漏れ続けている)ケースです。
2.新たな深刻な事態発生(「福島第一原発で地割れがおきており、水蒸気が噴き出しています。」を含む)のケース。
*新たな深刻な事態のリスク(可能性)の度合いは、一度、ドロドロに溶けた(メルトダウンまたはメルトスル―した)あと、固まった核燃料の形状に依存します。
その形状が現状では不明ゆえいろいろな事が想定されます。
*現状、溶けて固まった核燃料は、残留熱と崩壊熱をもって、格納容器の下、一部はそれを突き抜けて留まっていると想像されます。
火山の溶岩は自然冷却して最後は固まりますが、核燃料は固まっても内部で崩壊熱が維持されるので怖いのです。
また、核燃料は放射性物質の塊ですから、強い放射線を発生し続けます。つまり、これが「フレッシュ」ということです。
*一番怖いのは、球に近い形(たとえば、フットボール状)に固まった状態です。再臨界の可能性が高くなるということです。
ばらばらに飛び散った形状や、平たい形状であれば再臨界の危険性は軽減されます。
●新たな深刻な事態の可能性
1.水素爆発(既に3月に発生し、放射性物質をまきちらし、東日本全体がほとんど汚染されました。空間汚染から始まり、今は落下、沈着して土壌汚染、植物(農作物)汚染、水汚染等が問題になっています)
2.水蒸気爆発(水素爆発以上の威力があり、もし起きたら桁違いの放射性物質が飛散し、首都圏も含め即避難になる程怖いものです。チェルノブイリは水蒸気爆発で した)
3.再臨界(チャイナシンドローム)は、最悪のケースで今の技術では制御不能になる可能性が大で、大規模な再臨界が起きれば東日本は即全員避難です。
再臨界の熱で核燃料が再度溶け出し、それが大量の水と接触して水蒸気爆発につながる可能性もあります。
・水蒸気爆発が起きるとしたら、
① 冷却ストップ→再溶融→大量の溶けた核燃料が水と接触
② 冷却ストップ→再溶融→再臨界→大量の核燃料が溶ける→水と接触
のどちらかだと思います。
・水素爆発も、現状、炉内で様々な化学反応が起きていて、水素が発生しているので、危険性も十分にあり得ると考えます。
*一番怖いのは、再臨界です。(部分的再臨界も含めて)
再臨界と崩壊熱状態(放射性物質の崩壊によって生ずる熱)による再溶融がごっちゃになっているケース(ブログ、マスコミ等)を多く散見するため自分なりに整理しました。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/ho02.html(崩壊熱)
再臨界は核燃料が固体のままでも起こりえます。また再溶融した場合は、多くの核燃料が一塊になるので、再臨界の可能性が高まります。
崩壊熱状態の固まった核燃料を再溶融させないためには冷却しかありません。
汚染しきった冷却水を海や地下に垂れ流しながらの最悪のトレードオフで。
ニュースによく出る冷却水浄化装置(よく故障する)は、この汚染水を浄化するためのものですが、私は気休め程度の浄化しかできていないと思っています。
結果、海洋汚染、地下水汚染は、想像するだけでも恐ろしいものです。
★以下のような情報もあります
CTBTの8月12日発表 http://bit.ly/n3dOPN のP.11には8月11日捕集開始8月12日捕集終了の行に129Te、129mTeが出てます。
アンチモン129(129Sb)がベータ崩壊してテルル129(半減期=70分)になる場合があるようです。
http://environmentalchemistry.com/yogi/periodic/Sb-pg2.html#129
ただ、アンチモン129の半減期は4.4時間です。
テルル129mもベータ崩壊でテルル129になります。
http://environmentalchemistry.com/yogi/periodic/Sb-pg2.html#129m
また http://www.acro.eu.org/OCJ_jp#15
によれば、小名浜港のアイナメとクロメバルから7月23日に129Te出てます。
この129Teはテルル129m(半減期=33.6日)が崩壊してできたもの(できつつあるもの)と考えれば、一応、納得が出来ます。
ヨウ素については http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infmenuoshi.htm
から過去の「下水処理における放射能等測定結果について」を拾ってゆくと脱水汚泥からは殆どずっと出続けてます。
テルル129もテルル129mもベータ崩壊してヨウ素129(半減期=1570万年)になります。放射性ヨウ素なので、当然、甲状腺に集積し、甲状腺ガンの発症 率を高めます。
現在、検出、不検出が地域によってバラツキが起きているヨウ素131もまだ知られていない、崩壊系列で発生した可能性があります。
以上より、空間線量測定以外に、土壌検査、食物検査、飲料水検査 が極めて重要です。
除染、避難、疎開は今日現在も、重要課題と考えます。
当然、子どもの内部被ばく検査も重要です。
★リテラシー強化班・塩爺